宇流冨志禰神社は、三重県名張市平尾三三一九番地に御鎮座されており、主祭神は宇奈根命(うなねのみこと)、その他には、武甕槌命(たけみかつちのみこと)、經津主命(ふつぬしのみこと)、姫大神(ひめおおかみ)、大物主命(おおものぬしのみこと)、火之迦具士命(ほのかぐつちのみこと)、宇迦之魂命(うかのみたまのみこと)、建速須佐之男命(けんはやすさのおのみこと)、天兒屋根命(あめのこやねのみこと)、応仁天皇(おうじんてんのう)、仁徳天皇(じんとくてんのう)が祭られている。
神宝は、御神刀が三振と文化財として能面が四十五面(県文化財指定)上げられる。この能面は、伊賀の藤堂邸より譲り受けた物で、春祭りの際や、見学などの連絡の際には、少し色彩などは褪せているが今でも見ることができる。
桃山時代 作者 和泉椽
和泉の椽の面は現在のところ、全国に三面しかないという貴重な物。和泉椽の名は、金沢市佐野吉之助(宝生の家元)所有の
「仮面集録」に「天下一越前和泉椽……仏工なり」と記されている。
時代、作者 共に不明
鬼女の面 女の怨霊 嫉妬に身を焼く女性の執念。
安達原 黒塚 色彩のやや白いのは葵の上。赤いのは道成寺。黒いものは安達原に用いる。
室町中期 作者不明
翁のみに用いる特殊な面。ボウボウ眉であるが綿ではなくシュロのような感じ。普通の面とは構造が異なっている。
第三番に舞う時に使う面は悪魔を祓うために黒い面を用いる。
主祭神"宇奈根命"は水、穀物の神であり、名の由来は元々の御神体である赤岩が置かれている場所が名張川のうねりの側にあることから、うねる→うなね(宇奈根)となったと言われている。
また、このことから宇流冨志禰神社という名も"潤うふし水"という語源を元にできたと伝えられている。